『それでもボクはやってない』
『それでもボクはやってない』勝手に自己評価!!
★★★★★★☆☆☆☆(10点満点中6点)
硬いテーマなのに程好くゆるい・・・この違和感のバランスが絶妙なんです。
26歳フリーターという主人公の人物設定がこの作品が成功した1番の理由です。
ある朝、26歳でフリーターの金子徹平(加瀬亮)は会社の面接に向かうため、通勤ラッシュで混雑する電車に乗り合わせた。それがすべての災難の始まりだった。電車を降りてすぐに、見知らぬ女子学生に「この人に痴漢をされた!!」と呼び止められたのだ。ロクに話を聞いてくれない駅員、そして警察官達・・・・ついに徹平の長く辛い戦いは法廷へと進んでいく。「ボクはなにもしていない!!」彼の主張は、日本の裁判制度を根本からくつがえすための救いとなるのか。それとも単なる悲鳴となってしまうのか。
監督は『Shall We ダンス?』(1996年)で各映画賞を総なめにした娯楽界のトップランナーである周防正行。
今作の制作に当たって、周防監督は200回以上の傍聴、数百冊の法律書読破、弁護団会議にも積極的に参加し、およそ3年半にも及ぶ徹底取材を重ねたそうだ。緻密な研究データと観察経験が作品にリアリティを与えていることがわかる。
所有していたアダルトビデオ・雑誌を、証拠品として裁判で問いただされた時の徹平がいいわけするシーンや、性犯罪の傍聴を趣味としている傍観者の不可解な行動・・・。周防監督独特の人間観察の視点が作品の随所に散りばめられている。
ただ上映時間が143分なので相当長い。我慢のしどころが何度か訪れるので、根気強く耐えることも必要です。男性の方が比較的のめり込みやすい内容なので長時間でもあっという間に観終わるかもしれませんが、割と女性には退屈を感じさせるかもしれません。
この作品の面白いところは主人公の設定が26歳のフリーターだということです。
その上、養っていく家族がいなければ、しっかりとした職に就いているわけでもない。恋人がいるわけでもなければ、学校に通っているわけではない。彼を取り囲む環境がとてもフランクなんです。
つまり・・主人公徹平が背負っているものは、世の中のしがらみや築き上げた権力でもなく、自身の正義感・プライドただそれだけなんです。もしも制作者側の目的が「痴漢冤罪によって登場人物たちが苦労していくことを伝える」というのを重点に置くとしたなら主人公は当然40、50代の中高年を設定していたでしょう。そうしたらただ同情を生むだけのただの娯楽映画になっていたかもしれない。
しかし周防監督の本作での目的は「日本の裁判制度に疑問を投げかけること」ですから、今回主人公を26歳フリーターと設定したことは、とても道理にかなっているんです。真で伝えたい部分はストレートに分かりやすく表現するという考えが成功につながりました。
裁判では有罪になることより、無罪を主張することのほうが難しいんですね。
アカデミー賞に日本代表として出品するみたいですが、海外の人達がどのように判断し、評価するのか気になるところです。
| 固定リンク
「≪邦画作品≫」カテゴリの記事
- 『アフタースクール』(2008.06.08)
- 『僕の彼女はサイボーグ』(2008.07.13)
- 『パコと魔法の絵本』(2008.10.30)
- 『ハッピーフライト』(2008.12.04)
- 2HT★日本アニメの未来~『パプリカ』『時をかける少女』~☆(2008.07.10)
「☆☆☆☆☆☆勝利」カテゴリの記事
- 『パコと魔法の絵本』(2008.10.30)
- 『ディスタービア』(2007.11.06)
- 『キサラギ』(2008.01.25)
- 『天然コケッコー』(2007.08.19)
- 『マッチポイント』(2007.09.03)
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 『マイ・ブルーベリー・ナイツ』(2008.04.07)
- 『ノーカントリー』(2008.04.05)
- 『フローズン・タイム』(2008.05.24)
- 『パラノイドパーク』(2008.05.25)
- 『アフタースクール』(2008.06.08)
「映画作品すべて」カテゴリの記事
- 『マイ・ブルーベリー・ナイツ』(2008.04.07)
- 『ノーカントリー』(2008.04.05)
- 『フローズン・タイム』(2008.05.24)
- 『パラノイドパーク』(2008.05.25)
- 『アフタースクール』(2008.06.08)



コメント
これちょっと観たい^^
200回も裁判傍聴したなんてすごいね◎
投稿: noro | 2007.10.25 18時50分