『パコと魔法の絵本』
映画批評46弾!!中島哲也監督が絵本の世界を実写×CGアニメで映像化した異色最新ムービー!!
『パコと魔法の絵本』勝手に自己評価!!
★★★★★★
☆☆☆(10点満点中6.5点)
劇場スクリーンで観てほしい映像。ポイントはサダヲ。
前作『下妻』、前々作『松子』の失望感から、監督の評価が再びグーンときました。
自分一人で会社を作り、仕事一途に生きてきたワガママジジイの大貫(役所広司)が、持病で入院する病院。しかしそこには、患者も医者も看護婦もクセのある者ばかりが集まっていた・・・。その中で唯一ピュアな心を持っていたのが、交通事故で一日しか記憶を保てなくなってしまった少女パコ(アヤカ・ウィルソン)。やがて大貫はあるきっかけから、パコのために毎日、絵本を読み聞かせるようになる。そして彼はパコのために絵本をお芝居にしようと病院の人々に呼びかけるのだった。
監督は前作『嫌われ松子の一生』で中谷美紀を追い込み、怒鳴り散らし、泣かせ、演技を叩き込んで女としての殻を破らせた中島哲也。
原作は、後藤ひろひとの舞台「MID SUMMER CAROL ガマ王子VSザリガニ魔人」。
キャストは大人の俳優に脱皮できずに人生を諦めてしまった元有名 子役の室町に妻夫木聡、ジュディ・オングが好きなオカマの木之元にベテラン俳優の國村隼、その他にもヤクザの龍門寺に舞台でも同役を演じた山内圭哉、空気の読めない謎の男堀米を阿部サダヲ、ピーターパンに成りきるドクター浅野に上川隆也、タトゥー入りのヤンキー看護師タマ子を中島監督秘蔵っ子の土屋アンナ、顔は怖いが金にめっぽう弱い看護師雅美を小池栄子、その雅美の天然オトボケ亭主・浩一に加瀬亮と実に豪華。
ミーハーにも、映画好きにもウケるキャスティングが今回の興行成績の高さに繋がったのでしょう。妻夫木聡は松尾スズキの『クワイエットルームへようこそ』での壊れた演技が少し消化不良に感じていただけに今回は・・・と思ったが、演出に迷いが無いのが伝わり、演技にも迷いを感じさせない力強さが見えた。
中島監督の前作品『下妻』『松子』の苦笑シーン+ストーリーの間延びはうまいこと修正。その要因のひとつは・・・阿部サダヲキャラクターと、空気の読めない割り込みシーン。
芸人である劇団ひとりを、もっとも普通であるキャラクターに置いたことが実に良かった。変人、変人、変人・・・だけではただのおバカ映画にも見えてしまうが、劇団ひとりがウマいこと、ベースキャラとなり、観客に目を休ませる隙を与えているのだ。
「役所さんがそこまでやるなら、若手がやらないわけにはいかない」そんな現場の良い雰囲気が作品から伝わってきた。
家で観ると意外に、落ち着いてみれてしまうので。
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