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2008.11.07

○鍵穴の向こうの隠れ家●

(あれっ鍵かけたっけ・・・)

一度思い出すとソワソワして不安になる。

一度不安になると、即座の安心を求めてしまう。

そのちょっとしたソワソワが懐かしい電波をとらえた。

私の家のすぐ隣には幼馴染のコンペイがいた。

かれこれ、15年以上一緒だ。

それが当たり前のことだった。

一年ぶりの電話、コンペイの眠そうな声が聞こえる。

(久しぶり・・・今、家いる?)

コンペイ「うん、いるけど」

(あのさ、俺の家の鍵しまってるか確認してほしいんだけど・・・)

すぐに用件を言う。私はすぐにコンペイを利用してしまう。

私の悪い癖だ。

コンペイ「あのさ、ごめんな・・・」

(なに?)

「おれ、もうそっち住んでないんだ。」

(えっ?どういうこと?)

「一ヶ月前引っ越しちゃって・・・だから、鍵しまってるか調べられない、ごめん」

小学校のとき、コンペイと家の近くに隠れ家をつくったことがある。

隠れ家っていっても、

フェンスに囲まれた水道タンク下のスペースに、

雑誌やら、駄菓子やら、サッカーボールやらを集めていただけだけど・・・

公園の固い土に栗を植えて、二人で水をあげたこともある。

『コンペイトウ』

ある日、コンペイの黄色い短パンのポケットに小さな青いコンペイトウが入っていたことがある。

彼はコンペイトウと言い切っていたが、私は砂利だと言って笑った。

結局真相は分からない。

コンペイはカリカリと音を立てて、歯で噛み砕いてしまったから。

コンペイはもういない。

どこか遠くにいってしまった。

しかし、私はコンペイに会いに行く約束をした。

「俺の家の庭で温泉が湧いてるんだ」

コンペイは真面目ぶって言った。

コンペイの無邪気な笑顔をおもいだす。

真相は分からない。

そういえばコンペイトウ、最近食べてないな・・・・

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