映画批評27弾!!ミュージカル映画史上NO.1のオープニング記録樹立!!
『ヘアスプレー』勝手に自己評価!! 
★★★★☆☆☆☆☆☆(10点満点中4点)
楽しめる人と、楽しめない人とに二極化する作品。
私の場合、期待した分だけ自制心が反発してしまいました・・・
音楽とダンスに夢中な、少しBIGサイズの女子高生・トレーシー(ニッキー・ブロンスキー)は、あるきっかけで10代の子供たちに大人気の地方TV番組「コーニー・コリンズ・ショー」のオーディションに合格して、一躍シンデレラガールになる。しかし美人でスリムなライバル母娘が仕掛けた罠からトラブルに巻き込まれ、やがて指名手配までされてしまう始末・・・・果たしてトレーシーを待ち受ける運命は?ラストの結末とは一体?
口コミでも話題沸騰中のこの作品は、ジョン・ウォーターズ監督の『ヘアスプレー』('87)を原作に舞台化し、2003年度のトニー賞で8部門を獲得した大人気ブロードウェイ・ミュージカルを再映画化したコメディ・ミュージカル映画。
相当期待して映画館に足を運びました。いざ上映スタートし、オープニングからいきなりのアップテンポなメロディーにさらなる高揚心・・・「よし思いっきり楽しむぞ」と普段はローテンション続きの私もハイモードに切り替える態勢を整えました。
しかし・・・
「あれ・・・あれ・・・」とスクリーンを前にいまいちノリきれない自分。そして決して探求してはいけないストーリーを消化しながら、そのままテンションも下降ぎみにエンディングへと突入。
劇場を去りながら、思わず連れに聞いてしまいました。
「面白かった・・よね?」って・・・
何にも考えないで気楽に観れる作品なので、テンションに付いていけた人、思い切り楽しめた人にとっては十分に満足できる内容です。リズミカルな音楽を聞いて、迫力のダンスを見て、元気をもらった人もいれば、日頃のストレスを解消できた人もいるでしょう。
(↓以下ネタばれあり↓)
実際、劇中に登場する音楽はどれも良い曲ばかりでした。こういう音楽を、毎朝通勤電車の中で聴いたりしたら、心も晴れ晴れとして毎日が楽しくなるはずだと思ってしまいます。ただ、映画作品としてスクリーン映像でみせられると、なぜだか楽しめないんです。
それは単純に、生の舞台で実際にダンスや歌声を肌で感じることと、映像として編集された完成品を見せられることとを比較すると、どうしても後者の方が劣ってしまうからです。しかしそうはいっても、ミュージカルを映画作品として作ることにも大きな利点もあります。
たとえば、ストーリー自体に濃さを与えることでです。舞台では表現できないストーリー展開を、映像として「魅せていく」こと。映画は映像です。好きなように編集も出来れば、背景で用いる装飾品、ロケ地にだってこだわれる。ましてや有名な映画俳優も起用できるんです。
この作品『ヘアスプレー』の私の不満部分は大きく言って2つあります。
1つは、舞台ミュージカルの流れをそのまま映画作品にしてしまったことです。
劇中の5分の4は歌をまじえてのダンスシーン、つまりミュージカル部分。さすがに1曲1曲があれだけ長いと飽きてしまいますし、セリフのあるストーリーに比重をもっと置いてほしかったです。せっかくキャストが実力派演技派のツワモノ揃いなんですから。
結果として、音楽の質の高さと、勢いが功を奏した気がします。歌が良くなかったら、皆さんの評価も大きく変わっていたでしょう。
2つめは、ストーリーにはめ込んでいった曲の順番とパフォーマンス。つまり編集と演出の部分です。
曲順に関しては、中盤から後半にかけての時間帯に、バラード調の曲を連続で入れてしまったこと。あの時間帯にスローテンポの曲を入れられてしまうとちょっとキツイですよ。冒頭から中盤にかけて相当ノリのいいハイテンションな曲を続けてしまったたけに、途中からあからさまにしっとりテンポで来られると、違和感を感じてしまいます。せっかく上がってきたテンションも、我慢できない苛立ちに替わってしまう。1曲の持ち時間が長いんだからなおさらです・・・
この作品の雰囲気から考えて、バラード曲はなるべく少なくし、アップテンポな曲の隙間に上手に埋め込んで、最初から最後までハイテンションで押し切ってほしかった。「聞かせどころ」と「見せどころ」を、作風に応じて強弱をつけ、バランスをとっていくことも編集の重要部分です。
まぁ私がせっかちっていうこともありますがね(笑)
パフォーマンスに関しては、全員綺麗に収まりすぎですよ。完璧すぎます。ダンスや歌にも詳しくなくて、皮肉れものでもある私からしてみれば、ミュージカル映画に完璧さは求めていないんです。映画なんですから、演技なんですから・・・。
全員のダンスが上手く揃っているのを見て、感動で胸を打つのはあくまで肌で感じる生の舞台の特権です。映画で踊るのは演技をする役者なんですから、全員が両手を広げ、高く飛び跳ねる部分でも、その登場人物のキャラクターによっては振り付けを勝手に変えてしまったり、多少周りとはズレた動きをしてもいいと思うんです。
この作品の目玉でもある女装姿のジョン・トラボルタが踊るラストシーンも、何かアドリブでもするんかなーって期待してたんですが、めちゃくちゃ真面目じゃん。いかにも練習しました頑張りましたみたいな・・・。あそこはカツラをはずして吹っ飛ばしてしまっても、私的には全然アリです。
まぁなんだかんだ難癖をつけてしまうのも、作品を純粋に楽しめなかった、ノリ遅れてしまった腹いせなのかもしれませんね。これだけ明るい元気な映画もたまにはいいでです。皆さん何にも考えないで気楽に、思う存分楽しんで観ましょう。
これまでにはない押し寄せる波のようなハッピーな映画です・・・よ?
←若手出演陣の記念撮影
●『ヘアスプレー』(2007/アメリカ/116分)
監督:アダム・シャンクマン
出演:ジョン・トラボルタ 『パルプ・フィクション』 、ミシェル・フィファー 『I am Samアイ・アム・サム』、クリストファー・ウォーケン 『キャッチ・ミー・イフ・ユーキャン』 、ザック・エフロン 『ハイスクール・ミュージカル』 他
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