≪邦画作品≫

2008.12.04

『ハッピーフライト』

Photo_2映画批評47弾!!矢口史靖監督が「ヒコーキ」をテーマにした最新作!!

『ハッピーフライト』勝手に自己評価!!

★★★☆☆☆☆☆☆☆10点満点中3点)

矢口監督だからこそできた、航空会社のためのムービー

さまざまな制約と、思惑を感じる。物足りないのは矢口監督自身??

場所は空港。主役は飛行機、それを支える様々な働きマンの物語。機長昇格への最終訓練のため操縦に臨む副操縦士(田辺誠一)。彼の試験教官として同乗する堅物機長(時任三郎)。彼に飛行中、鋭く激を飛ばされるCA泣かせの鬼チーフパーサー(寺島しのぶ)。彼女に指導を受ける国際線初業務のほんわかCA(綾瀬はるか)。乗客の野次、クレームに追われ、時に喜びと安堵に触れられる過酷な日々を送るグランドスタッフ達。安全な飛行のために最善の注意をはかりメンテナンスする整備士達、などなど…登場人物は様々。

Photo_5 1台のヒコーキの1回のフライトなために悪戦苦闘するスタッフ達をユーモアたっぷりに描き出した本作品。矢口史靖監督だけあって、もちろん予定通りには進まないフライトプラン、簡単には離着陸させません。緻密な研究が可能にしたシナリオはサスガです。

本作品はANA(全日本空輸)の協賛なしでは完成なしえなかった映画でしょPhoto_3 う。空港をロケーションのために設営し、機内の様子を忠実に再現するにはハリウッドのような莫大な予算がないと出来ないわけですから。そう考えると「ターミナル」(トムハンクス主演)の舞台になったエアポートは作品のためにわざわざ作ったわけですから、スゴイですわ。

日本映画のように限られた資金で、ヒコーキムービーを作るとなると、やっぱり航空会社の熱心な協力体制が無いと成立しないですよね。特に実際の現場をロケ地として提供する姿勢にはとても感心させられました。

しかし、そうなると・・・制作者側にはある種の制約が課せられるわけです。協力してくれた会社との約束事。

それゆえにテーマを「安全、安心なフライト」と置くのは必須だとして、そこにPhoto_6 HAPPYになれる面白さを盛り込んだのは矢口脚本のうまさでしょう。

しかし飛行機内で起こる出来事といったら、従来の飛行機を題材にしたドラマや、海外映画で予想はできちゃうわけです。その予想を大きく上回るようなアイデアや印象的なシーンが盛り込まれていなかったのには少し残念・・・

Photo_4 全編、空港内ロケにすれば矢口監督の見せ場はもっと見れた気がするなぁ。

ハリウッドで主流になっている映画コンテンツを利用したプロダクト・プレイスメント手法を見ると感じることなんですが、やっぱり純粋映画に、企業の『売り』行為が絡むとどうしても疑問を抱いてしまう。サジ加減の難しいところです。

面白いんです。しかし映画を映画として観ることができなかったのは恐らく私のツマラナイ部分なのでしょう。

フジ×東宝の枠から一度離れて、PFF時のような矢口監督の全力投球アイデア勝負の崖っぷち作品を観てみたいものだ。

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2008.10.30

『パコと魔法の絵本』

Photo 映画批評46弾!!中島哲也監督が絵本の世界を実写×CGアニメで映像化した異色最新ムービー!!

『パコと魔法の絵本』勝手に自己評価!!

★★★★★★moon2☆☆☆10点満点中6.5点)

劇場スクリーンで観てほしい映像。ポイントはサダヲ。

前作『下妻』、前々作『松子』の失望感から、監督の評価が再びグーンときました。

自分一人で会社を作り、仕事一途に生きてきたワガママジジイの大貫(役所広司)が、持病で入院する病院。しかしそこには、患者も医者も看護婦もクセのある者ばかりが集まっていた・・・。その中で唯一ピュアな心を持っていたのが、交通事故で一日しか記憶を保てなくなってしまった少女パコ(アヤカ・ウィルソン)。やがて大貫はあるきっかけから、パコのために毎日、絵本を読み聞かせるようになる。そして彼はパコのために絵本をお芝居にしようと病院の人々に呼びかけるのだった。

監督は前作『嫌われ松子の一生』で中谷美紀を追い込み、怒鳴り散らし、泣かせ、演技を叩き込んで女としての殻を破らせた中島哲也

原作は、後藤ひろひとの舞台「MID SUMMER CAROL ガマ王子VSザリガニ魔人」。

キャストは大人の俳優に脱皮できずに人生を諦めてしまった元有名  子役の室町に妻夫木聡、ジュディ・オングが好きなオカマの木之元にベテラン俳優の國村隼、その他にもヤクザの龍門寺に舞台でも同役を演じた山内圭哉、空気の読めない謎の男堀米を阿部サダヲ、ピーターパンに成りきるドクター浅野に上川隆也、タトゥー入りのヤンキー看護師タマ子を中島監督秘蔵っ子の土屋アンナ、顔は怖いが金にめっぽう弱い看護師雅美を小池栄子、その雅美の天然オトボケ亭主・浩一に加瀬亮と実に豪華。Photo_3

ミーハーにも、映画好きにもウケるキャスティングが今回の興行成績の高さに繋がったのでしょう。妻夫木聡は松尾スズキの『クワイエットルームへようこそ』での壊れた演技が少し消化不良に感じていただけに今回は・・・と思ったが、演出に迷いが無いのが伝わり、演技にも迷いを感じさせない力強さが見えた。

Photo_6   中島監督の前作品『下妻』『松子』の苦笑シーン+ストーリーの間延びはうまいこと修正。その要因のひとつは・・・阿部サダヲキャラクターと、空気の読めない割り込みシーン。

芸人である劇団ひとりを、もっとも普通であるキャラクターに置いたことが実に良かった。変人、変人、変人・・・だけではただのおバカ映画にも見えてしまうが、劇団ひとりがウマいこと、ベースキャラとなり、観客に目を休ませる隙を与えているのだ。Photo_9

「役所さんがそこまでやるなら、若手がやらないわけにはいかないそんな現場の良い雰囲気が作品から伝わってきた。

劇場スクリーンで観たほうがいいかもしれません。

家で観ると意外に、落ち着いてみれてしまうので。

Photo_10なぜだか、大倉孝二が恋しく感じた、次は是非。

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2008.07.13

『僕の彼女はサイボーグ』

Photo 映画批評44弾!!『猟奇的な彼女』のクァク・ジェヨン監督×綾瀬はるかの本格アクション!!

『僕の彼女はサイボーグ』勝手に自己評価!!

★☆☆☆☆☆☆☆☆☆(10点満点中1点)

わざわざ韓国人の監督を起用する内容かなぁ・・・

アイドルムービーを観ているようだった。

21歳の“僕”(小出恵介)を救うために未来の“僕”が現在の自分宛てに送った最高にキュートな“彼女”(綾瀬はるか)は、やることなすことすべてが大胆なサイボーグ。いつしか二人は奇妙な共同生活をし始め、“彼女”は“僕”のピンチを幾度となく救ってくれる。しかし、感情を一切持たない“彼女”に思いが伝わらず、“僕”は一方的に別れを告げてしまうのだが。

果たしてすべては恋なのか?単なるミッションなのか?予期せぬ結末が二 人に訪れる・・・。決して起こるはずのなかった運命が音を立てて転がり始める。

『猟奇的な彼女』『僕の彼女を紹介します』のクァク・ジェヨンがメガホンを取り、日本人でスタッフチームを結成。大胆な彼女と消極的な僕という基本設定にSFファンタジーとアクションを融合し、主演にはサイボーグの衣装をまとい、初の本格アクションに挑む綾瀬はるかをキャスティング。

Photo_5 公開前から期待していた作品でした。韓国人監督や内容がどーこーではなく、脇を固める俳優陣にとても魅力を感じたからです。特に『パッチギ』『クローズZERO』のダテ男・桐谷健太、『紀子の食卓』『転々』の吉高由里子のキャスティングは相当旬だなぁ~と思いました。

しかし、蓋を開けてみたら私の期待は耐えて耐えて、開始30分程でヒューと飛ばされて行きました。

確かにクォン・ジェヨン監督の韓流色は随所に出ていました。女性を綺麗に、丁寧にレンズを通して映し出している点には納得・感心。綾瀬はるかのチャーミングさが引き立っていました。でも、それはあくまでアイドル色が強く、女優としての“美味さ”はかき消されてしまっていたようでした。Photo_4

一方で、僕を演じた小出恵介は見栄えが悪かった。ルックスや演技の方はもちろん良いのだが、カメラレンズ越しに映し出される彼への制作者の配慮・こだわりが足りない気がした。ストーリーキャラクターを重視しすぎて、役者としての良さをこちらもかき消されてしまっていた。

注目していた脇役達はというと、何とほぼ全員出オチ・・・。

いやぁ、贅沢といえば贅沢・・・いやぁ勿体無い。もっと作品の流れに馴染ませて、しっかりとしたキャラクターとして登場させてほしかった。遠藤憲一、竹中直人、小日向文世はドラマの合間をぬって参加したのか。桐谷健太に関して言えば、出番こそ少ないものの、やっぱり面白いわ。次回は是非ともサイボーグ役で。

Photo_6 ストーリー構成については、冒頭とラストで同じシーンを重複して観客に見せるんだったら、冒頭ではもっと好奇心をそそられるように、ラストでは余韻や感動を生むように、多方面の視点から物語を作るべきだと思った。“魅せ方”は何通りもあったはずである。同じシーンを見せ過ぎである。

最終的に思った事は・・・・別に韓国人に監督を起用してまで作る必要があったのか?ということである。せっかくクァク・ジェヨンがメガホンを取るんだったら、日本・韓国の俳優共演が見たかった気もする。

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2008.07.10

2HT★日本アニメの未来~『パプリカ』『時をかける少女』~☆

いやぁ~参りましたよ。 Photo_11 Photo_12 いやぁ~参った。

最近のアニメの技術は本当に素晴らしい。『鉄コン筋クリート』(マイケル・アリアス監督)にしても、『秒速5センチメートル』(新海誠監督)にしても、背景の細かさ、リアルさには驚きます!!

1997年公開、ジブリ作品『もののけ姫』の大自然の映像描写に衝撃を受け、アニメもここまでリアルになったんだなぁ・・と指をしゃぶっていたのに。

いやぁ~日本のアニメは美しい。

しかし一方で思うのが“綺麗スギル”ということです。

未来都市や妄想世界をアニメ映像とするのはもちろん面白いし、好きなのですが、日常の生活をただただリアルに表現するのでは意味がないと思うのです。

ノンフィクションな内容をアニメ化しているような、映像が綺麗なだけのアニメをちらほら見かける気がします。

現実的、日常的なモノだったら、実写で観たいと思うのは私だけ?

ノンフィクションアニメ(?)なんて存在しないはずなのに・・・・

そういった意味で今月の19日に公開を控える宮崎駿監督最新作『崖の上のポニョ』は期待大です。綺麗過ぎるアニメ映像ばかり見てきた子供達の心をどう捉えていくのでしょう。常に進化し続けるアニメーション技術を今一度見つめ直させてくれるはずです。

さて今回のHTは私のお勧めアニメ作品を自己評価してしまいます。かる~く、かる~くね。Photo

まずは、今敏監督の『パプリカ』!!筒井康隆のSF小説を原作としたアニメーション作品で、SFといっても、現代の歪んだ人間社会と大きくリンクしていて、その世界観には驚きと感激。江守徹の渋い声が、いい、いい。Photo_4Photo_3

今敏監督の作品は好きですね。

今後、日本アニメを世界へと発信し、広めていくためにはこの人の才能がもちろん必要でしょう。世界のアニメーション界のトップ集団を走り続ける注目の人です。  

『パプリカ』勝手に自己評価!!★★★★★★★☆☆☆(10点満点中7点)

二つ目に紹介するのは、

Photo_5 細田守監督の『時をかける少女』!!未だ観ていない人、実写派でアニメ映画への興味がさほど無い人にも是非お勧めしたい作品です。

これほど、役者の吹き替えで、「声」が「キャラクター」とマッチングしているアニメも珍しいと思う。最近、ドラマ・映画と出演作が続く仲里依紗が演じた紺野真琴、若手の石田卓也の声もPhoto_7 絶妙なフィット。

Photo_6 この作品を見て自分は、アニメーションへの興味が沸きました。湯気出ました。

『時をかける少女』勝手に自己評価!!

★★★★★★★moon2☆☆(10点満点中7.5点)

いやぁ~参った、参った。

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2008.06.08

『アフタースクール』

映画批評43弾!!カンヌ国際映画祭4部門を受賞した内田けんじ監督最新作!!Photo_2 

『アフタースクール』勝手に自己評価!!

★★☆☆☆☆☆☆☆☆(10満点中2点)

期待しすぎたから、驚きはなかった・・・

観客を騙すことに気をとられて、あからさまにイキスギタ演出をしてはいけない。

母校の中学で働いている教師の神野(大泉洋)のもとに、かつての同級生だと名乗る探偵らしき男(佐々木蔵之介)が訪ねてくる。探偵は、神野の幼なじみである一流企業に勤める木村(堺雅人)の行方を追っていた。木村探しに巻き込まれるうちに、“神野の知らない木村”の生活が明らかになり、事態は予想できない展開へと転がっていく。

長編デビュー作がカンヌ国際映画祭4部門を受賞した内田けんじ監督でしたが、本作では『運命じゃない人』のオッという驚きや、ヘーという新鮮さはなく、観客をどうにかして騙してやろうという気持ちが、知らぬ間に悪い演出として作品の細部に表れてしまった気がします。

Photo_5前作に比べたら当然予算もあるし、実力派(個性も実績もある)俳優陣もキャスティングでき、テレビ局の全面的な宣伝バックアップもある。期待感とプレッシャーで作り手が完成を焦りすぎた気がします。

あれだけ面白い内容なのに、もっと温めてブラッシングしていたら、もっと良くなったはずです。制作日数短かったのかなぁ・・・・

内田監督の脚本・演出は、登場するキャラクター達が観客と同じ“素”の部分を持っているからこそ、作品に角が立って深みが出てくる。

前作『運命じゃない人』の呪縛から抜けられていないのかな。

編集も、今回は『運命じゃない人』とはまったく違った組み立て方をしたかったのでしょうね。大泉洋の素性が分かった中盤ダマシ以降の間延び・・・、そこから畳み掛けるように驚くようなストーリーネタばらしがあると思いきや、それも無い・・・。

前半の演出も納得できない部分がいくつか。

だってあのオチだったら前半の会話のやり取りはオカシイでしょ。木村の家Photo_6 のリビングのあのシーン(堺&常盤&山本圭)、病室の大泉と運転手のやり取り・・・明らかに演出が行き過ぎている。劇中で登場人物が騙しあうだけならもちろん良いが、「騙す相手は観客だ!!」と固執してしまったのか。気にしてしまうのは自分だけかな。

脚本に面白さを期待されると、フツーができないから大変だ。監督もやりづらいでしょう。ストーリー以外の部分を評価されにくいということも否めない。

群像劇ならやはり三谷幸喜が上なのか。先日公開された『ザ・マジックアワー』が楽しみです。

この作品で楽しめた人は『運命じゃない人』も観てみてください。

私は内田けんじが好きなので今後も応援します。

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2008.01.25

『キサラギ』

Photo映画批評36弾!!新感覚サスペンスコメディー!!

『キサラギ』勝手に自己評価!!

★★★★★★☆☆☆☆(10点満点中6点)

何度も観返したい作品です。

舞台の緊張感を映像で味わえる不思議な感覚でした。

知る人ぞ知る純粋派アイドル如月ミキが自殺をしてから、一周忌追悼会に集まった5人の奇妙な男たち、家元(小栗旬)、オダユージ(ユースケ・サンタマリア)、スネーク(小出恵介)、安男(塚地武雅)、イチゴ娘(香川照之)。如月ミキファンサイトの書き込み常連である彼らは、そこで初めて顔を合わせる。それぞれがオタクポイントを存分にアピールし、そして、5人は自殺した如月ミキへの思い出に花を咲かせ始める。そして、オダユージが突如口にした言葉・・・・「彼女は殺されたんだ」。この発言をきっかけに、男たちが互いを疑い、かばい合う奇妙な推理が始まるのだった。

中盤から一気に加速していくジェットコースターのようなストーリー展開に思わず引き込まれてしまう。

Photo_3演出は相当難しかったはずですよ。

生の舞台だったら観客の反応を見ながら、役者それぞれが機転を利かせて軌道修正できますが、この作品は現場を仕切る作り手の判断が本当に便りです。

一つのボックスの中で延々と撮影し続けるわけですから、缶詰の外からの観客の視点を常に意識して作らないと、下手をすると監督の自己満足作品で終わってしまいます。

撮影期間は1ヵ月もかかっておらず、5人の役者人のクオリティの高さを感じました。難しい状況の中でここまでの完成レベルに持ってきたことが何よりの証拠です。

同じ脚本と監督、キャストを再び揃えても二度と同じ作品は撮れない。そこにこの作品の価値がある。

シナリオがつまらなかったらそこでアウトですから、この作品の原作・脚本を手掛けた古沢良太(脚本『ALWAYS 三丁目の夕日』)は本当に才能に溢れています。今後も注目です。

キャスティングに関してはそれぞれが上手い具合にフィットしてます。はまってます。

あえて指摘するなら、スネークを演じた小出恵介のキャスティングは少し難しかったのかもしれませんね。物静かで真面目な部分が浮かんできて、「テンション上げて頑張ってるんだろうな・・・」という皮を破りきれていない感じが伝わってきました・・・。うーん、佐藤隆太辺りが演じていたら、また違ったスネークが生まれたかもしれませんね。

Photo_7★は6つ、評価は少し厳しめに付けました。

というのも、生の舞台でやればこの題材は数倍面白くなってしまうからです・・・。舞台の臨場感にはかないませんよ。

しかしながら、舞台演出の面白みを映像作品の中で感じられたのはとても感動的でした。うん面白い!!

香川照之恐るべし!!

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2008.01.15

『クワイエットルームにようこそ』

Photo_7  映画批評35弾!!松尾スズキ長編監督作品第二弾!!!

 『クワイエットルームにようこそ』勝手に自己評価!!

★★★★★★★☆☆☆(10点満点中7点)

松尾スズキ恐るべし、侮る無かれ。

変な登場人物がでできても、作品自体は品があり、完成度は限りなく高い。

仕事も恋愛も中途半端な28歳のフリーライター明日香(内田有紀)は、ある日、目を覚ますと見たことも来たことも無い真っ白な壁に囲まれ、真っ白い天井を見上げていた。そこは“クワイエットルーム”と呼ばれる隔離された閉鎖病棟で、ようやく冷酷ナース江口(りょう)から薬物とアルコールの過剰摂取により運び込まれたと説明され、自身の記憶が紐解かれ始めていく。さまざまな問題を抱えた患者たちと出会う中、明日香に見えてきたものとは・・・??

観終わった後になんともいえない心地よさがあって、すごくすがすがしい気持ちになったんです。

ゲロ、注射器、病室、下ネタ、変人など出てくるキーワードを挙げれば、異様で異質な内容であろうと十分に予想できるでしょう。しかしながら、登場人物それぞれがとても繊細で、愛らしくも思えてしまうのが、この作品の凄さ、松尾スズキの演出力の高さです。

内田有紀にはもう一皮向けてほしかったなぁ。

おそらく演じた役どころはとても難しかったと思います。ガサツでうっとおしい女でありながらも、自分自身では正常な人間と思い込んでいる設定ですから、どちらかに転びきれない理由もあったのでしょう。Photo でも・・・想像以上に色っぽかった点は。

新旧カメレオン女優対決は見事でした。「食べたくても食べられない」入院患者のミキを演じた蒼井優、元AV女優で過食症の患者西野役の大竹しのぶ。二人ともちょい役程度でそこまで露出は少ないと思っていましたが、割と見せ場も多く堪能できました。クドカンも演技に嫌味がなく、とても自然体で良かった。

鉄雄(宮藤官九郎)の子分コモノを演じた妻夫木聡は他の役者人と比べても一人浮いちゃっていた気がします・・・。ご存知の通り、爽やかな雰囲気の役は得意でも、ぶっ飛んだアホの役はやはり慣れていないみたいです。この作品を通じて、本人も役者としての新しい視野が広がったかもしれません。

純粋に笑える映画って、最近はめぐり合えてなかったせいか、ところどころ笑えました。大笑いとかじゃなく、クスリという小笑いがたくさん散りばめられている作品です。

観終わってみて思ったのが、映画版『東京タワー オカンとボクと、ときどきオトン』も脚本だけでなく、監督も松尾スズキがやっていたら面白くなってただろうなぁ・・・という無念さでした。

Photo_2  2008年しょっぱなから、こうも面白い映画作品に当たると嬉しいですね。

今年も勝手気ままに楽しめそうです。

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2007.11.10

『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』

映画批評Photo_225弾!!リリーフランキー原作、オダギリジョー主演の話題作!!

『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』勝手に自己評価!!

★★★★★☆☆☆☆☆10点満点中5点)

感心するほど忠実に、丁寧に作られた映画。

私の中で、樹木希林は今年度の日本の助演女優賞決定です・・・。

1960年代。3歳のボクは、真夜中に玄関の戸を蹴破って帰ってきた酔っぱらいのオトン(小林薫)にいきなり2串の焼き鳥を無理やり食べさせられてしまう。オトンに手を焼いたオカン(内田也哉子)はボクを筑豊の実家に連れ帰り、妹であるおばさんの小料理屋を手伝いながら、女手一つでボクを育て始めるのだった。やがて故郷を離れ上京するボク(オダギリジョー)。ぐうたらな生活を続けながらも、やがて仕事を見つける。そしてボクはオカン(樹木希林)を東京に呼び寄せ一緒に暮らすこと決意する・・・

これまでの松岡錠司監督の作品って正直言ってあんまり好きじゃなかったんです。『さよならクロ』にしたってあの生ぬるい空気感がどうしても耐えられなかった。しかし、今回の作品は割と上手くいきましたね。なんとか許容範囲です。

役者陣の熱演に助けられた部分はもちろんあると思いますが、原作の強い世界観を自分のスタイルの中にはめ込み、松岡監督らしい息を優しく押し殺したような作品に仕上がっている。おかげで松尾スズキ特有の脚色は薄まりましたが、ストーリー内容がら考えると結果オーライかな。

作品全体の雰囲気としては、日記のページをゆっくりと1枚1枚めくるような感じです。

それだけに142分の長時間だとやはり飽きてしまいます。登場人物それぞれに同じだけの見せ場をつくり、幼少時代からオカンとの死別までのシーンも、均等な配分時間で振り分けているような印象を受けました。丁寧な演出すぎるゆえに、多少の違和感も抱いてしまったのは事実です。

淡々とした雰囲気に、「あれ見せ場ってどこ?」って思わず聞いてしまいたくなります。作品のインパクトは登場人物の個々のキャラクターによって付加されています。

この作品は役者ありきで成り立っています。押すでもなく引くでもない絶妙なバランスで、愛らしいオカンを演じた樹木希林は本当にすばらしかった。さすが大ベテランです。まだガンが完治しきっていない時、ボクが執筆した本が届き、電話越しに告げる言葉・・・「ありがとうございました・・・。」丁寧な言葉使いで深く頭を下げ微笑む場面はとても印象的でした。

Photo_2 樹木希林、小林薫、オダギリジョーのやり取りもとても見事で、3人が1つの画面に映し出されたときのなんとも言えない温かな空気感には吸い付けられました。

感動を求めてはいけません。やさしい作品の雰囲気に触れ合ってみてください。

●『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(2007/ 日本 /142分)

監督:松岡錠司 

原作:「東京タワー」リリー・フランキー

脚本:松尾スズキ

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2007.10.25

『さくらん』

映画批評21弾!!フォトグラファー蜷川実花初監督作品!!Photo_3

『さくらん』勝手に自己評価!!

★★★☆☆☆☆☆☆☆(10点満点中3点)

想定の範囲内の出来栄えでした・・・

『大奥』観るならまだこっちのほうがいいかも。

吉原の玉菊屋に連れてこられた8歳の少女。きよ葉と名付けられた彼女は、高級花魁・粧ひに面倒を見られることになった。玉菊屋から何度も脱走を試みるきよ葉だったが、粧ひに導かれるように吉原一の花魁を目指す事を決意した。やがて17歳となったきよ葉は、美貌と鼻っ柱の強さで一躍江戸中の注目を集める存在になっていく・・・

本作で初監督を務めたのはフォトグラファーの蜷川実花。本人たっての希望から安野モヨコ原作の人気漫画を完全映画化した。主演には土屋アンナ、脇を固めるキャストには木村佳乃菅野美穂夏木マリ安藤政信成宮寛貴永瀬正敏ら豪華俳優人を集結させた。音楽は椎名林檎が担当。

1番印象的だったのは身体を張った女優キャスト陣の演技でした。あそこまでやる価値がこの作品にあったのかはしばし疑問でしたが、強い女優魂を感じました。

女性が監督する映画って役者人のこれまでとは違った一面を見出したりするので、時々驚かされます。

日本のソフィア・コッポラなどともてはやされているのを聞きますが、ソフィア・コッポラのデビュー作『ヴァージンスーサイズ』(出演:キルスティン・ダンスト)がとても完成度が高かっただけに同じ映画初監督作品として比べてしまうと、完全に力量不足でした・・・

ただ今後の活躍は大いに期待出来ると思います。今作品でも彼女の写真家としての色が、動く映像になってもうまく還元できている部分はありましたから。

美術、衣装、装飾品、色彩にこだわり伝統的な江戸の世界を華麗に描こうとしているわりには、ところどころでありきたりなCG処理に頼ってしまっていたのはとても残念でした。

全体的に観客への見せ場が少なく、色濃い映像の割には印象的なシーンが無かった気がしました。

Photo_4 配色にこれだけこだわっているんだから、せっかくなら最初から最後までリアルな被写体の中での美しさを追い求めてほしかったです。

土屋アンナ(左)と蜷川実花監督(右)

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『それでもボクはやってない』

Photo_2 映画批評20弾!!周防正行監督の社会派最新作!!

『それでもボクはやってない』勝手に自己評価!!

★★★★★★☆☆☆☆(10点満点中6点)

硬いテーマなのに程好くゆるい・・・この違和感のバランスが絶妙なんです。

26歳フリーターという主人公の人物設定がこの作品が成功した1番の理由です。

ある朝、26歳でフリーターの金子徹平(加瀬亮)は会社の面接に向かうため、通勤ラッシュで混雑する電車に乗り合わせた。それがすべての災難の始まりだった。電車を降りてすぐに、見知らぬ女子学生に「この人に痴漢をされた!!」と呼び止められたのだ。ロクに話を聞いてくれない駅員、そして警察官達・・・・ついに徹平の長く辛い戦いは法廷へと進んでいく。「ボクはなにもしていない!!」彼の主張は、日本の裁判制度を根本からくつがえすための救いとなるのか。それとも単なる悲鳴となってしまうのか。

監督は『Shall We ダンス?』(1996年)で各映画賞を総なめにした娯楽界のトップランナーである周防正行。

今作の制作に当たって、周防監督は200回以上の傍聴、数百冊の法律書読破、弁護団会議にも積極的に参加し、およそ3年半にも及ぶ徹底取材を重ねたそうだ。緻密な研究データと観察経験が作品にリアリティを与えていることがわかる。

所有していたアダルトビデオ・雑誌を、証拠品として裁判で問いただされた時の徹平がいいわけするシーンや、性犯罪の傍聴を趣味としている傍観者の不可解な行動・・・。周防監督独特の人間観察の視点が作品の随所に散りばめられている。

ただ上映時間が143分なので相当長い。我慢のしどころが何度か訪れるので、根気強く耐えることも必要です。男性の方が比較的のめり込みやすい内容なので長時間でもあっという間に観終わるかもしれませんが、割と女性には退屈を感じさせるかもしれません。

この作品の面白いところは主人公の設定が26歳のフリーターだということです。

その上、養っていく家族がいなければ、しっかりとした職に就いているわけでもない。恋人がいるわけでもなければ、学校に通っているわけではない。彼を取り囲む環境がとてもフランクなんです。

つまり・・主人公徹平が背負っているものは、世の中のしがらみや築き上げた権力でもなく、自身の正義感・プライドただそれだけなんです。もしも制作者側の目的が「痴漢冤罪によって登場人物たちが苦労していくことを伝える」というのを重点に置くとしたなら主人公は当然40、50代の中高年を設定していたでしょう。そうしたらただ同情を生むだけのただの娯楽映画になっていたかもしれない。

しかし周防監督の本作での目的は「日本の裁判制度に疑問を投げかけること」ですから、今回主人公を26歳フリーターと設定したことは、とても道理にかなっているんです。真で伝えたい部分はストレートに分かりやすく表現するという考えが成功につながりました。

裁判では有罪になることより、無罪を主張することのほうが難しいんですね。Photo

アカデミー賞に日本代表として出品するみたいですが、海外の人達がどのように判断し、評価するのか気になるところです。

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2007.10.11

『ゆれる』

Yureru 映画批評17弾!第59回カンヌ国際映画祭監督週間 正式出品作品!

『ゆれる』勝手に自己評価!!

★★★★★★★★☆☆(10点満点中8点)

凄い映画である。

観終わった後、鳥肌が立ちました・・・

   

ゆれる吊り橋・・・ゆれる兄弟・・・ゆれる私の主観。一回目観終わった後「やられたな・・・」と思いました。私の主観は完全に殺人容疑をかけられた兄を持つ弟の猛(オダギリジョー)の視点に立ってしまっていたのです。しかし今思えば、香川照之が演じた、内面にとがった狂気の感情を持った兄・稔という存在に、完全に圧倒されてしまっていたんだと思います。

これだけ巧みで、心揺さぶられるストーリーは久しぶりです。

登場人物の深層心理である細かい感情の糸が張りめぐらされたシナリオを、頭に描いたように映像化し、そして実像として形付けていくということは難しいことです。

この作品で原案、脚本、監督を務めた西川美和という若干30代のこの若い女性クリエーターに秘められたダイヤモンドのような才能に素直に驚嘆してしまいました。

ストーリーは東京で成功した写真家の弟・猛(オダギリジョー)と地方で家業を継ぐ兄・稔(香川照之)が母の一周忌で久しぶりに出会ったことから始まる。兄の勧めもあって兄弟は幼馴染の美恵子(真木よう子)と三人で近くの渓谷に出掛けることになる。しかし、その場所で起こったある悲劇によって兄弟の内面にある感情が大きく揺れ動くことになる・・・。

兄弟と呼ばれるその絆はどこまでが確かであり、どこから解れていってしまうものなのか。印象的な吊り橋の様子から人と人の繋がりをもう一度考えさせられました。

キャスト俳優人も見ごたえ十分です。改めてキャスティングが作品の色合いと印象を360度変えてしまう、どれだけ重要であるかを考えさせられました。主要キャスト人の光る演技はもちろん、脇を固める田口トモロヲ、ピエール龍、木村祐一(キム兄)、蟹江敬三などの演技は印象的で、作品全体にクールで香ばしいスパイスを与え、場面を引き締めてくれています。Photo_6

内容自体は人間のドロドロとした感情やエゴを描いているのだけれど、作品全体をみるとさらりとしたすがすがしい印象を持ちます。なぜでしょう、何度も見返してしまう不思議な魅力があるんです。

7年後、兄弟が再会するラストシーン・・・画面に向けて最後に微笑んだ兄・稔の心情とは一体どういうものだったのか。自分なりの解釈がいくらでもできる作品です。それぞれの登場人物に焦点をおいてさまざまな角度・視点から物語を観てみても面白いかもしれません。Photo_2

心揺さぶられる見事な映画でした

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2007.10.04

『スキヤキ ウエスタン ジャンゴ』

映画批評第13弾!!異才三池崇史監督の和風ウエスタン映画!!

『スキヤキ ウエスタン ジャンゴ』勝手に自己評価!!

★★★★☆☆☆☆☆☆(10点満点中4点)

これだけハチャメチャだからこそ、魅力も十分にあります。

グロさとユーモアが半々に混じりあった新感覚映画。

ストーリーは、ある村の黄金をめぐって、それぞれに思惑を抱いた者たちが撃ち合い、殴り合い、斬り合いと何でもありで戦うものです。舞台は源氏と平家が決戦した壇ノ浦の戦いより数百年後のようですが三池監督も特別深い意味を持っての設定ではないでしょうね。まったくストーリーは気にしなくてOKな作品です。

なんでもあり!!なんでもかんでも混ぜちまおう!!というようなちょっとしたお祭り物のように感じました。

途中、駆け引きやら、裏切りやら、愛情劇もありますがこだわって深読みなどしたり、ストーリーを頭で追っていく必要は一切ありません。これだけハチャメチャな映画ですから観たまんまを楽しみましょう。

出演した佐藤浩市が作品について「極上なB級映画が完成した」と言っているように、内容はともかくとして、作品を彩るキャスト陣は相当豪華なことは確かです。俳優人の演技を目当てに観にいくのも良いでしょうね。

流浪の用心棒ガンマン伊藤英明    

したたかな暴君平清盛佐藤浩市 

誇り高き冷酷な武士源義経伊勢谷友介  

凶気の化身与一安藤政信

情深き豪傑弁慶石橋貴明         Photo_4

麗しき悲運の華 木村佳乃

権力と己に怯える男保安官香川照之    

忠義に生きる闘将平重盛堺雅人   

                     豪華俳優人による舞台挨拶

哀しき正義漢アキラ小栗旬       

心優しき魔女ルリ子桃井かおり

伝説の銃神ピリンゴクエンティン・タランティーノ

ほかにも松重豊、SMAP香取信吾、田中要次など出演。

これだけの役者を揃えてそれぞれに見せ場を作るのは監督としても難問だったでしょう。でも主人公役の伊藤英明がPhoto少し他の役者人の怪演に埋もれてしまっていた以外はみんな見せ場はしっかりありましたし、いい味でてました。敢えて言うなら役者達の「死に際の演技」に注目してみたらいいかもしれません。

三池監督作品にしては分かりやすく万人受けを考えて作ったようですね。全編英語だったのですが、NATIVEの人たちにはどう感じたのでしょうか?くれぐれもマジな映画として誤認されたくは無いです。

今後の三池監督と日本の映画界の新しい表現への可能性の断片を本作を通じて見つけ出してくれていたらいいですよね。

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2007.09.22

『Big River』

映画批評第10弾!!オダギリジョー初海外進出作品!!

『Big River』勝手に自己評価!!

★★☆☆☆☆☆☆☆☆(10点満点中2点)

内容のないストーリー。それが好きか?嫌いか?アナタ次第・・・

オダギリジョー好きの人だけが楽しめる消化不良映画ですわ。

正直な話、あまり内容は覚えていません。妻をアメリカ人男性に奪われた悩めるパキスタン人のアリ(カヴィ・ラズ)と、世界を当てもなく旅する日本人テッペイ(オダギリジョー)、そしてアメリカ人女性サラ(クロエ・スナイダー)の3人が偶然荒野の真ん中で出会い、一緒に車に乗って旅をするという感じですかね。

ベネチアの観客が、この作品を「ベルリン国際映画祭のフォーラム作品の中で、最も美しい映画」と賞賛したらしいし、観る人によってはそこそこ楽しめる映画かもしれません。ジム・ジャームッシュ監督作品のような雰囲気が好きな人は試しに観てみてもいいかもしれません。

しかし、作品の中のオダギリジョーは久々に冴えなかった・・・Big_river

多分本人も自由に演技することが許されていたんでしょう。自由にやりすぎたことが裏目に出て、テッペイというキャラクターに一貫性が無かった。まあ監督の意図的な演出だと言われたらそこまでですが・・・。

ベネチア国際映画祭で、ある程度の評価をうけている作品って、大体がボヤけてる気がします。キャラクターだったり、カメラワークだったり、内容が全体的にボワーんとしていて、観る人に深い意味での追求をさせない・・・。なんというかそういうクールな表現の映画が好まれる傾向があると思います。その国に根ざしている文化観というものが映画の好みにも関係してるんでしょうね。

それにしても、この作品はクールというべきか、内容のないつまらないなものというべきか悩んでしまいます。

今後も徐々にオダギリジョー出演作品をアップしていきたいと思います。

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2007.08.19

『遠くの空に消えた』

映画批評第6弾!!期待してるよ行定さん!!

『遠くの空に消えた』勝手に自己評価!!

★★☆☆☆☆☆☆☆☆(Img_0002Img_0001_210点満点中2点)

子供を使った映画ほど難しいものはない。

無理にコメディータッチの作品にしなくても良かったんじゃ・・どこで笑ったらよいのか分からなかった。

『世界の中心で愛を叫ぶ』『春の雪』の行定勲監督が7年もの歳月をかけて温め続けたオリジナル・ストーリー。子供力満載の児童映画がついに完成。

主演にはドラマ、映画で活躍する神木隆之介、『SAYURI』での熱演が記憶に新しい大後寿々花をキャスティング。そのほか周りを固める小日向文世伊藤歩三浦友和大竹しのぶなどの実力派役者人を集結させた本作品。

行定監督のこれまでの作品は欠かさずに見てきましたが、個人的には好きです。特に『ロックンロールミシン』(出演・加瀬亮りょう)なんかは良いっすね。

ちなみに行定監督が、これだけ年齢の低い子供をベースにした作品は珍しいです。ましてやファンタジー映画というのだから新しい試みです。公開前から「絶対に観たい」と期待大でした。それがいけなかったんでしょうか・・・。

観る前は岩井俊二監督の『スワロウテイル』(出演・CHARA三上博史)みたいな、良い意味で予想を裏切ってくれる雰囲気の映画かなぁと予想していたんです。

※以下ネタばれあり注意

しかし、冒頭で柏原崇が現代から過去を振り返るように始まるベタベタなくだり・・。あれ?こっち系かぁとそのとき気づきました。その後からはファンタジーなのだけど、途中途中にコメディーみたいなセリフや動きを織り交ぜたりして、またそれがどこで笑ったいいのか分からない・・・困惑してしまいました。笑いどころは小日向さんに任せっぱなしって感じ、笑わせる必要なんてなかった作品だと思います。

その上、ストーリーはどっかで見たような部分が多くて・・・。検便に動物の糞を使うのは韓国映画の『ラブストーリー』で見たことあったし、少し風変わりでおかしな大人が出てくるのはテリーギリアム監督の『ローズ・イン・タイドランド』でみたことあったので少し気になりました。

ストーリー内容が途中何度か間延びしっちゃっていて飽きてしまった。装飾やロケ地、美術などはとても魅力的だったので、映画好きに人気のあるフレッシュな役者をもう少し起用して、もっと物語全体にアクセントを加えることができていたらきっと良くなった作品です。それだけにとても残念・・・。

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『天然コケッコー』

Photo_2 映画批評第4弾!!邦画いっちゃいます!!

『天然コケッコー』勝手に自己評価!!

★★★★★★☆☆☆☆(10点満点中6点)

渡辺あやさんの書く脚本は実に面白い。好きです。

犬童一心監督と組んだ『ジョゼと虎と魚たち』(出演・妻夫木聡池脇千鶴)、『メゾン・ド・ヒミコ』(出演・オダギリジョー柴咲コウ)に続いて、今回脚本家渡辺あやがタッグを組んだのは『リンダ リンダ リンダ』の山下敦弘監督!!田舎町で暮らす少女の初恋を優しく、あたたかく表現しています・・・これまでの作品とは一味違った雰囲気。

くらふちふさこの名作コミック『天然コケッコー』を映画化した本作品。田舎町の海、木々、太陽などの自然の美しさを存分に堪能できます。

本作を通して、私たちが普段の慌しい生活の中で聞き流してしまっている“音”に注目してみたらいかがでしょう。さまざまな場面で上手く“音”が散りばめられています。自然はもちろん、都会の騒音や学校のチャイム音、にわとりの鳴き声さえも感慨深いものを感じるかもしれません。レイ・ハラカミの劇中サウンドも、くるりの主題歌もいいっすね。

主人公の右田そよを演じた夏帆はとても自然体でよかった。それにしても、転校生役の大沢広海役の岡田将生は今後確実にブレイクしますね。最近ドラマやCMでもちらほら見掛けるようになりましたが、演技力と知名度があがれば若手俳優の一角を担うだけの素質はある気がします。今後の活躍に期待。

この映画は眠たいときに観ると、おそらく寝ってしまうので注意。眠気のないときに一回観てしまって、二回目からは眠りたいときに観るのがいいかも、ここちよく眠りにつけるでしょう。この作品の中で小さな夏休みを過ごした気分でした。DVD出たら買おっかなー。

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2007.08.18

『どろろ』

 映画批評第3弾!!初の邦画編!!

『どろろ』勝手に自己評価 

★☆☆☆☆☆☆☆☆☆(10点満点中1点)

正直、しんどい作品でした・・・

話題作だったし、キャストも魅力的、観る前から少し期待しすぎちゃったのかなぁ。

原作は手塚治虫の有名マンガ「どろろ」、百鬼丸役に妻夫木聡、どろろ役に柴咲コウ、その他にも周りを囲む役者も、中井貴一瑛太土屋アンナ麻生久美子など豪華な顔ぶれが揃った。

しかし肝心の内容は・・・

総制作費20億円をかけ、ニュージーランドの壮大な大地で撮影したにもかかわらず、

アクションシーンにはまったく迫力はないし、ストーリーもまちまち、せっかく手塚マンガの実写版をやるならば真に心に訴えかける内容にしてほしかった。あまりにも内容をはしおりすぎちゃっていて手塚マンガの最も大事な部分を表現できてなかった気がする。

同じように時代物マンガを実写化した映画ならば、『あずみ』(北村龍平監督、上戸彩主演)のほうが内容においても、アクションシーンにおいても見ごたえがあるし完成度は高い。

この作品中には、あれ?と思う気になるシーンはたくさんあったが、そのなかでも物語後半のシーンで中井貴一演じる百鬼丸の父が魔物になった時の特殊メイク、カブリモノはどうみてもカッコ悪すぎる。いくら少年マンガの実写化といえども違和感を覚えずにはいられない。

せっかく魅力的な役者人をそろえてもキャスティングがうまくフィットしていないとこうなってしまうのだ。役者が演じるキャラクターの見せ場があまりないのも酷だろう。

他にもシーンのところどころに雑な映像部分が目に付いた。百鬼丸が物語のラストで心臓を取り戻すシーンでは、どうみても「これ粘土かなんかで作ったおもちゃだろうが!」っていう作りのおかしな心臓だった・・・

こういう映画は、アクションに力をいれるか、ストーリーにこだわるかのどっちかにしてほしい。続編も決定していると話だが、このままだと今度こそ、大すべりしてしまうだろう。

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