☆☆☆☆期待

2008.01.10

『ディパーテッド』

Photo_2映画批評33弾!!第79回(2007)アカデミー賞4部門受賞作品!!

『ディパーテッド』勝手に自己評価!!

★★★★☆☆☆☆☆☆10点満点中4点)

日本人には好かれない内容ですね、ストーリーに緻密さがまったく無い・・・

スコセッシ以外の監督が作っていたら多分納得できなかったでしょう、恐らくただのB級映画になっていたはず・・・

舞台はマサチューセッツ州ボストン、犯罪者の一族に生まれたビリー・コスティガン(レオナルド・ディカプリオ)は、自らの暗い生い立ちと決別するため警察官を志し、優秀な成績で警察学校を卒業する。しかし、警察に入るなり、彼はマフィアへの潜入捜査を命じられる。一方、マフィアのボス、コステロ(ジャック・ニコルソン)にかわいがられて育ったコリン・サリバン(マット・デイモン)は、内通者となるためコステロの指示で警察官になる。Photo_3やがて、コリンはマフィア撲滅の最前線に立つ特別捜査班に抜擢され、コステロを標的とした捜査活動に加わることになるのだが・・・。

ラストシーンは納得です。

スコセッシならではの観客を突き放すようなあっけなさにはさすがの一言でした。ただストーリー全体を通して、ハラハラとか、ドキドキとかはまったく無いですね。

Photo_4警察、マフィア双方ともに内通者の存在をかぎつけ、いよいよ2人は窮地に追い込まれていく緊迫のシーンでも、シナリオに緻密さがないから登場人物の心理状態もあまり伝わってきませんし・・・感情移入も当然無理です・・・

カット割りの雑さ、テンポの悪いストーリーはスコセッシの表現スタイルであって、恐らく戦略通りなんでしょうね。この作品が好きな人って相当映画が分かる人だと思います。私的にはスコセッシ作品は『タクシードライバー』(主演:ロバート・デニーロ)以来ヒットは無いですけどね・・・。

B級映画の一歩手前で留めることができるのはスコセッシくらいでしょう。中途半端な映画は普通好まれませんが、スコセッシだとなんだか不思議としっくりくるんですよね。私は、このようなB級映画でもなく、上手い具合に中途半端な領域を保っている作品のことをスコセッシゾーンと呼んでいます。

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もうそろそろスコッセッシ&デカプリオのコンビは解散してもいいんじゃない でしょうか。あんまりしっくりきてない気がするんです・・・この二人は。

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2007.11.16

『ヘアスプレー』

映画批評27弾!!ミュージカル映画史上NO.1のオープニング記録樹立!!

『ヘアスプレー』勝手に自己評価!! Hairpraymovie_p_2

★★★★☆☆☆☆☆☆(10点満点中4点)

楽しめる人と、楽しめない人とに二極化する作品。

私の場合、期待した分だけ自制心が反発してしまいました・・・

音楽とダンスに夢中な、少しBIGサイズの女子高生・トレーシー(ニッキー・ブロンスキー)は、あるきっかけで10代の子供たちに大人気の地方TV番組「コーニー・コリンズ・ショー」のオーディションに合格して、一躍シンデレラガールになる。しかし美人でスリムなライバル母娘が仕掛けた罠からトラブルに巻き込まれ、やがて指名手配までされてしまう始末・・・・果たしてトレーシーを待ち受ける運命は?ラストの結末とは一体?

口コミでも話題沸騰中のこの作品は、ジョン・ウォーターズ監督の『ヘアスプレー』('87)を原作に舞台化し、2003年度のトニー賞で8部門を獲得した大人気ブロードウェイ・ミュージカルを再映画化したコメディ・ミュージカル映画。

相当期待して映画館に足を運びました。いざ上映スタートし、オープニングからいきなりのアップテンポなメロディーにさらなる高揚心・・・「よし思いっきり楽しむぞ」と普段はローテンション続きの私もハイモードに切り替える態勢を整えました。

しかし・・・

「あれ・・・あれ・・・」とスクリーンを前にいまいちノリきれない自分。そして決して探求してはいけないストーリーを消化しながら、そのままテンションも下降ぎみにエンディングへと突入。Photo

劇場を去りながら、思わず連れに聞いてしまいました。

「面白かった・・よね?」って・・・

何にも考えないで気楽に観れる作品なので、テンションに付いていけた人、思い切り楽しめた人にとっては十分に満足できる内容です。リズミカルな音楽を聞いて、迫力のダンスを見て、元気をもらった人もいれば、日頃のストレスを解消できた人もいるでしょう。

(↓以下ネタばれあり↓)

実際、劇中に登場する音楽はどれも良い曲ばかりでした。こういう音楽を、毎朝通勤電車の中で聴いたりしたら、心も晴れ晴れとして毎日が楽しくなるはずだと思ってしまいます。ただ、映画作品としてスクリーン映像でみせられると、なぜだか楽しめないんです。

それは単純に、生の舞台で実際にダンスや歌声を肌で感じることと、映像として編集された完成品を見せられることとを比較すると、どうしても後者の方が劣ってしまうからです。しかしそうはいっても、ミュージカルを映画作品として作ることにも大きな利点もあります。

たとえば、ストーリー自体に濃さを与えることでです。舞台では表現できないストーリー展開を、映像として「魅せていく」こと。映画は映像です。好きなように編集も出来れば、背景で用いる装飾品、ロケ地にだってこだわれる。ましてや有名な映画俳優も起用できるんです。

Photo_2この作品『ヘアスプレー』の私の不満部分は大きく言って2つあります。

1つは、舞台ミュージカルの流れをそのまま映画作品にしてしまったことです。

劇中の5分の4は歌をまじえてのダンスシーン、つまりミュージカル部分。さすがに1曲1曲があれだけ長いと飽きてしまいますし、セリフのあるストーリーに比重をもっと置いてほしかったです。せっかくキャストが実力派演技派のツワモノ揃いなんですから。

結果として、音楽の質の高さと、勢いが功を奏した気がします。歌が良くなかったら、皆さんの評価も大きく変わっていたでしょう。

2つめは、ストーリーにはめ込んでいった曲の順番とパフォーマンス。つまり編集と演出の部分です。

曲順に関しては、中盤から後半にかけての時間帯に、バラード調の曲を連続で入れてしまったこと。あの時間帯にスローテンポの曲を入れられてしまうとちょっとキツイですよ。冒頭から中盤にかけて相当ノリのいいハイテンションな曲を続けてしまったたけに、途中からあからさまにしっとりテンポで来られると、違和感を感じてしまいます。せっかく上がってきたテンションも、我慢できない苛立ちに替わってしまう。1曲の持ち時間が長いんだからなおさらです・・・

この作品の雰囲気から考えて、バラード曲はなるべく少なくし、アップテンポな曲の隙間に上手に埋め込んで、最初から最後までハイテンションで押し切ってほしかった。「聞かせどころ」と「見せどころ」を、作風に応じて強弱をつけ、バランスをとっていくことも編集の重要部分です。

まぁ私がせっかちっていうこともありますがね(笑)

パフォーマンスに関しては、全員綺麗に収まりすぎですよ。完璧すぎます。ダンスや歌にも詳しくなくて、皮肉れものでもある私からしてみれば、ミュージカル映画に完璧さは求めていないんです。映画なんですから、演技なんですから・・・。

全員のダンスが上手く揃っているのを見て、感動で胸を打つのはあくまで肌で感じる生の舞台の特権です。映画で踊るのは演技をする役者なんですから、全員が両手を広げ、高く飛び跳ねる部分でも、その登場人物のキャラクターによっては振り付けを勝手に変えてしまったり、多少周りとはズレた動きをしてもいいと思うんです。

この作品の目玉でもある女装姿のジョン・トラボルタが踊るラストシーンも、何かアドリブでもするんかなーって期待してたんですが、めちゃくちゃ真面目じゃん。いかにも練習しました頑張りましたみたいな・・・。あそこはカツラをはずして吹っ飛ばしてしまっても、私的には全然アリです。

まぁなんだかんだ難癖をつけてしまうのも、作品を純粋に楽しめなかった、ノリ遅れてしまった腹いせなのかもしれませんね。これだけ明るい元気な映画もたまにはいいでです。皆さん何にも考えないで気楽に、思う存分楽しんで観ましょう。

これまでにはない押し寄せる波のようなハッピーな映画です・・・よ?

Photo_11   

←若手出演陣の記念撮影

●『ヘアスプレー』(2007/アメリカ/116分)

監督:アダム・シャンクマン

出演:ジョン・トラボルタ 『パルプ・フィクション』 、ミシェル・フィファー 『I am Samアイ・アム・サム』、クリストファー・ウォーケン 『キャッチ・ミー・イフ・ユーキャン』 、ザック・エフロン 『ハイスクール・ミュージカル』 他

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2007.11.14

『カノン』

Photo_4 映画批評26弾!!キャスパー・ノエ監督の初長編映画!!

『カノン』勝手に自己評価!!

★★★★☆☆☆☆☆☆(10点満点中4点)

人間の持つマイナス・エネルギーを凝縮した映画

この作品でフランス人はよく笑うらしい、私もなぜだか笑ってしまった・・

自ら経営する馬肉店を失った男(フィリップ・ナオン)はカフェの女主人(フランキー・パン)の愛人となり、女主人はやがて妊娠。カフェを売却して片田舎へ移り、生活をやり直すことにした。ちょっとしたいざこざから男は女主人の腹を殴りまくり、銃だけを手にパリへ舞い戻る。無一文同然の男は職探しに明け暮れるが、かつての友人や取引先からは冷たくあしらわれる。有り金をはたいて出かけた居酒屋でもからかわれ、追い出される始末・・・。男は居酒屋にいた客たちに、かつての友人たちに、憎悪の矛先を向け、銃殺してから自らも自害しようと考える・・そして大きな決心を胸に、施設に預けられていた娘シンシア(ブランディーヌ・ルノワール)へと会いに行くのだった。

さぞグロテスクで、ヴァイオレンスな作品なんだろうと思っていたが、ある意味当たっているようで、まったく違った内容に驚いた。灰色がかったクリーム色のねっとりとした色で統一されており、一見そっけなく見える映像には力強いインパクトがある。

「すばらしい映画でした」とは間違っても言えない、よどみきった登場人物の感情の呼吸に、私達観客は息苦しいほどの苦痛と不快感を感じてしまうでしょう。しかし、なぜか可笑しくて笑ってしまうんです。

Kanonn 主人公のおっさんのあまりにも身勝手なモノローグには本当にイライラするけど、観終わった後になんだかすっきりするんです。空気の汚れた小部屋の窓をガバッと開けて深呼吸するような。ああ生きてる・・まあ明日からもがんばってみるか、こんなにも騒々しい世の中だけど、なんか面白いことであるかもしれない・・みたいな気持ちになる(少し大げさだけど)

この作品を観て、フランス人はよく笑うらしいです。

主人公のおっさんのダメ男ぶりは、人はみな共通に持っている感情で、そのダメさ加減が強いほど身勝手なほどに笑えるらしい。つまり、自分自身つまらない失敗も、このおっさんのじめじめした不幸に比べたら大したことないな・・って安心するんです。

それにしてもポスト・ヌーヴェル・ウォークの位置にいるこのキャスパー・ノエという監督はどんな男なのだろうか。『カルネ』と『カノン』のたった2本の劇場映画監督の経歴だけでこれだけの評価をうけているのだから、才能は確実にありますね、マイナスーエネルギーに満ちた救いのない作品の中に、不思議と魅かれる部分はありますから。Photo_2

この作品は、ダウンタウンの松本人志が天井につくほどの高評価を下した作品ということでも話題ですが、この映画を楽しんで見れる人って、映像表現に対する感覚がとても過敏で、どこか世の中を冷静に見渡せる余裕を持っている人だと思うんです。

その点で私はまだまだですね・・この作品の面白みがまだ理解しきれていないですから。

● 『カノン』 (1998/フランス)
監督: ギャスパー・ノエ

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2007.11.01

『過去のない男』

映画批評23弾!!2002年カンヌ国際映画祭グランプリ・主演女優賞ダブル受賞!!

『過去のない男』勝手に自己評価!!Photo_5 

★★★★☆☆☆☆☆☆(10点満点中4点)

あきれるほどの世界観・・・真面目か?不真面目か?

分からない、それでもいい気がした。

ある日列車に揺られ、夜のヘルシンキに流れ着いた一人の男(マルック・ペルトラ)。公演のベンチで夜明けを待っていた彼は突然暴漢に襲われ、瀕死の重傷を負う。病院で奇跡的に意識を取り戻すが、過去の記憶を全て失ってしまっていた。自分の名前すらも分からない彼に、コンテナで暮らす一家が手を差し伸べ、男は彼らと共に穏やかな生活を送り始める。

そして救世軍からスープが振る舞われる金曜日。コンテナの主人に連れられ支給場所男に行った男は救世軍の女性イルマ(カティ・オウティネン)と運命的な出会いを果たすのであった…。

感情を押し殺した無表情な登場人物たち、「ハンニバル」という名の愛らしいメス犬、歌うバアサン・・・どれもこれも少し間抜けに見えてしまう。しかし、乾いたユーモアなやり取りが物語全体に哀愁を生み、最終的に温かい優しさで私達を包み込む。アキ・カウリスマキ監督はさすがである。

絶対的な影響を受けた小津安二郎の、交わらない視線とその延長線上の会話のやり取りも時折見られて感動した。日本人のツボを、現代の日本映画監督以上に分かっているのかもしれない。

内容に関しては終始苦笑いでしたが・・・酒でも飲みながらもう一度ゆっくり観たい映画ですね。カウリスマキ映画には今後も懲りずに挑戦し続けたいです。Photo_6

「人生は前にしか進まない。」 

実にいい言葉だ。

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2007.10.21

『アーサーとミニモイの不思議な国』

Photo 映画批評18弾!!リュック・ベッソン監督最新作ファンタジー!!

アーサーミニモイ思議な国』勝手に自己評価!!

★★★★☆☆☆☆☆☆10点満点中4点)

完全に子供向けの映画です。

無名の監督の作品だったらおそらく観ていないでしょうね・・・

ある日、主人公アーサー(フレディ・ハイモア)が屋根裏で行方不明中の祖父が残した書物を発見することから物語は始まる。そこに記されていたのは、アフリカの謎の伝説種族“ミニモイ族”と“7つの国”に関する秘密であった。そして地図には自宅の裏庭に眠るという財宝の在り処も示されていて・・。借金返済に追われ、家をも出て行かなくてはならない苦しい現状に直面した家族を助けるため、アーサーは不思議な国ミニモイの世界へと旅立つのだった。

作品は子供の観察力や探究心をうまく物語の中に埋め込んでいます。

しかし、壮大なファンタジーというわけでもないし、リアルな臨場感を味わえるアドベンチャー巨編ということでもない。ライブアクションと3Dアニメーションを融合したといってもそこまで大きな衝撃は受けませんでした。日本のアニメーション技術はさらに上をいってますから、3Dアニメーション映像自体に新鮮さを求めてしまうとやはり物足りなく感じてしまいます・・・

しかしながら、子供の目線からこの映画を観てみたらきっと面白いでしょうね。自分の家の庭にあんなスペクタルな世界が広がっていると思うと毎日がワクワクするはず・・・少なくとも人形やフィギアで戦闘ゴッコをさせていた小さいころの私だったら興奮してしまいます。

そういった点では、原案者であるリュック・ベッソンを含め、作り手側が子供の目線にしっかりと立ち返って新鮮なアイデアを生み出していったことは素晴らしい。

「映画10本撮ったら引退する」と言っていたリュック・ベッソン監督。本作でちょうど10本目の作品になるので今後の動向が気になるところ。すでに情報では『アーサーとミニモイシリーズ』の第二部の制作がスタートしているんだとか。全三部作ということで少なくとも現時点ではベッソン作品の見納めは先の話なのでひとまず安心・・・そして次回作へのある種の不安・・・。Photo_2

ベッソン監督の母国フランスでは大ヒット!!アメリカでは大コケ・・・日本でもどちらかといえば成功とはいえないでしょうね。

ある意味でリュック・ベッソンのブランドの強さを感じました。冷静に考えると他の無名監督作品だったら観ないもんなあ。次回作は周りの評判次第で観るかを考えようと思います。

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2007.10.04

『スキヤキ ウエスタン ジャンゴ』

映画批評第13弾!!異才三池崇史監督の和風ウエスタン映画!!

『スキヤキ ウエスタン ジャンゴ』勝手に自己評価!!

★★★★☆☆☆☆☆☆(10点満点中4点)

これだけハチャメチャだからこそ、魅力も十分にあります。

グロさとユーモアが半々に混じりあった新感覚映画。

ストーリーは、ある村の黄金をめぐって、それぞれに思惑を抱いた者たちが撃ち合い、殴り合い、斬り合いと何でもありで戦うものです。舞台は源氏と平家が決戦した壇ノ浦の戦いより数百年後のようですが三池監督も特別深い意味を持っての設定ではないでしょうね。まったくストーリーは気にしなくてOKな作品です。

なんでもあり!!なんでもかんでも混ぜちまおう!!というようなちょっとしたお祭り物のように感じました。

途中、駆け引きやら、裏切りやら、愛情劇もありますがこだわって深読みなどしたり、ストーリーを頭で追っていく必要は一切ありません。これだけハチャメチャな映画ですから観たまんまを楽しみましょう。

出演した佐藤浩市が作品について「極上なB級映画が完成した」と言っているように、内容はともかくとして、作品を彩るキャスト陣は相当豪華なことは確かです。俳優人の演技を目当てに観にいくのも良いでしょうね。

流浪の用心棒ガンマン伊藤英明    

したたかな暴君平清盛佐藤浩市 

誇り高き冷酷な武士源義経伊勢谷友介  

凶気の化身与一安藤政信

情深き豪傑弁慶石橋貴明         Photo_4

麗しき悲運の華 木村佳乃

権力と己に怯える男保安官香川照之    

忠義に生きる闘将平重盛堺雅人   

                     豪華俳優人による舞台挨拶

哀しき正義漢アキラ小栗旬       

心優しき魔女ルリ子桃井かおり

伝説の銃神ピリンゴクエンティン・タランティーノ

ほかにも松重豊、SMAP香取信吾、田中要次など出演。

これだけの役者を揃えてそれぞれに見せ場を作るのは監督としても難問だったでしょう。でも主人公役の伊藤英明がPhoto少し他の役者人の怪演に埋もれてしまっていた以外はみんな見せ場はしっかりありましたし、いい味でてました。敢えて言うなら役者達の「死に際の演技」に注目してみたらいいかもしれません。

三池監督作品にしては分かりやすく万人受けを考えて作ったようですね。全編英語だったのですが、NATIVEの人たちにはどう感じたのでしょうか?くれぐれもマジな映画として誤認されたくは無いです。

今後の三池監督と日本の映画界の新しい表現への可能性の断片を本作を通じて見つけ出してくれていたらいいですよね。

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2007.09.28

『LAST DAYS』

Last_days 映画批評第11弾!!伝説の天才カート・コバーンに捧ぐ作品!!

『LAST DAYS』勝手に自己評価!!

★★★★☆☆☆☆☆☆(10点満点中4点)

物語の中の研ぎ澄まされた空気を感じれる・・・

観る人を“操作しない”“誘導しない”映画であるために、自由な解釈が出来る映画である。

カンヌ映画祭でパルムドール賞&監督賞を受賞した『エレファント』のガス・ヴァン・サント監督が、音楽バンドのニルヴァーナのボーカルであったカート・コバーン最期の2日間を手掛ける。ニルヴァーナとして成功を手に入れながらもプレッシャーや苦悩からドラックに溺れ、やがて自殺により短い人生を終えたカート。この作品ではそんなカートを元にして人間の孤独、絶望、痛みが残酷に美しく映しださえている。

ガス監督の映画には軸となる確かな脚本というものが存在しない。というのも現場の雰囲気や、俳優の演技や発想からその場その場の空気で作品を創り上げていく手法をとっているのである。

劇中で所々に目に付いた必要以上に長い尺を取ったカメラを固定して撮影するシーン。これがとても多かった気がするので、もしかしたら本作の実験的要素のひとつだったのかもしれない。

私が心に残ったシーンは、機材に囲まれたスタジオのようなところで、主人公ブレイクを演じるマイケル・ピットが“Death to Birth”という曲を一人で弾き語るところである。とてもしっとりとしていて感慨深かった。彼は実際にバンドを組んで音楽活動もしていているというのだから驚きだ。この曲も本人が作詞作曲したという。今後も話題作に出演予定というので彼のマルチな才能にも期待しようと思う。

ガス監督の最近の作品である『ジェリー』(2002)、『エレファント』(2003)に続く今作品『LAST DAYS』はとても実験的な映画で彼の原点に立ち返っている。極力セリフを排除してカメラワークのみで語りかける。これって私の好きなアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の作品『バベル』『21グラム』とはまったく正反対の演出方法なんです。だから少し物足りなく感じてしまったのでしょう。

イニャリトゥ監督の場合はこれでもか!これでもか!といった風にさまざまな情報の破片を観客に投げ込んできます。そして制作側にはある程度の意図というものが存在するのです。

一方でガス・ヴァン・サント監督のここ最近の実験的作品の特徴は、観客に解釈はご自由にどうぞ!!といった風にして、作品の意図というものをなるべく覆い隠そうとしている気がします。これは作品が実話をインスパイアしていることもあるだろうし、観客に登場人物たちと同じ体験をしているように表現したかったからでしょう。

さてあなたはどちらの表現手法が好きですか?

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2007.09.01

『カポーティ』

映画批評第7弾!!2005年アカデミー賞5部門ノミネート作品!!

『カポーティ』勝手に自己評価!!

★★★★☆☆☆☆☆☆(10点満点中4点)

主人公を演じたホフマンの怪演ぶりはお見事!!

“キショクわるさ” は鳥肌が立つほど伝わりました・・・

本作『カポーティ』は、「ティファニーで朝食を」の原作者としても知られる作家トルーマン・カポーティが、カンザス州の農村で起きた一家惨殺事件を取材して「冷血」を書き上げるまでをつづった実録もの。殺人犯との交流やゲイだったカポーティの素顔と野望、そして葛藤が描かれる。

監督には、ドキュメンタリーやCMの出身である新人ベネット・ミラー。そして主人公カポーティ役には名脇役で知られるフィリップ・シーモア・ホフマンをキャスティング。自ら制作にも乗り出し、見事に本作で第78回(2005年)アカデミー主演男優賞をものにした。

ある意味で、予想を裏切られた映画でした・・・

ストーリーは淡々としたテンポで進むことは見当がついていたのですが、主人公カポーティを演じたホフマンの怪演ぶりには驚きました。ふちのある丸めがねに色白の肌、耳に残る少し高いトーンの声と、独特のテンポで話しかける姿。すべてが計算された緻密な演技は見事でした。

本の題名にもなる「冷血」な人間とは、一家四人を惨殺した殺人犯の方ではなく、カポーティ本人だったのでしょう・・・

それだけに、この作品を観ている人が、ストーリーの中でカポーティの気持ちに自然と感情移入ができていたら楽しくみられる映画なんでしょうね。なかなか難しいだろうけど・・・。

感情移入・・・私には、それが出来なかった。それで登場人物とは少し距離を置いた場所から眺めるように作品を見ていました。客観的に作品を観る大切さというのもありますが、この作品の場合、流れがスローテンポだし、特有のもわりとした雰囲気があって体にうまく馴染まず少し退屈に感じてしまったんです。

Photo

そういえば最近、同姓愛をテーマにした社会派の大作映画がよく見られますが、どうなんでしょう? しばらくこの流れは続くんでしょうかね・・・

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