☆☆☆☆☆納得

2007.11.28

『タロットカード殺人事件』

Photo映画批評29弾!!ウディ・アレンのロンドン作品第二弾!!

『タロットカード殺人事件』勝手に自己評価!!

★★★★★☆☆☆☆☆10点満点中5点)

これだけナルシストな監督も珍しいですよ。

スカーレット・ヨハンソンのむっちりエロスは魅力満点です。

舞台はロンドン。ジャーナリスト志望の学生サンドラ(スカーレット・ヨハンソン)は、たまたま遊びに行ったマジック・ショーで、たまたまイリュージョンの実験役にされ、亡くなったばかりの著名な新聞記者ストロンベル(イアン・マクシェーン)に出くわし、彼に「ここ数年のタロットカードを残す連続殺人の真犯人は貴族のピーター・ライモン(ヒュー・ジャックマン)で、ジャーナリストのお前がこの真相を究明しろ!!」と伝えられる。真相を聞かされたサンドラは、渋るシド(ウディ・アレン)に協力させながら、ホテルのプールで溺れるフリをしてピーターに接近していく、しかし気付けば、急接近しすぎていて・・

邦題「タロットカード殺人事件」でサスペンスものだと勘違いして劇場に足を運んだ人は少なからずいたはず・・・。しかしこれはある種、巧みなマジックで、実際の題は「SCOOP」

いずれにせよ、驚くようなトリックや意表を突かれるアドリブ工作もありません。目を覆いたくなるような殺害シーンもなければ、あおむけになった死体の姿も一切でてこない。ましてや、素人が分からないような専門用語も一切出てこない。

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出てくるのは息をつく間も与えずにただただ皮肉とユーモアを交えたマシンガントークを続ける年老いた小柄なおっさんウディ・アレン。そしてゆるさ全開で野暮なワンピースに身を包み、メガネが妙に似合うおばはん女子学生スカーレット・ヨハンソン。

この映画はあくまでコメディーです。

内容は、アレン、アレン、スカーレット、アレン、スカーレット、アレン、ヒュー・ジャックマン、アレン・・アレン・・・みたいな映画です。むっちりスケベな役どころは監督お気に入りのスカーレットに渡し、自分はアドリブのセリフで好き勝手に劇中に登場しまくる。しまいには物語のオチだってかっさらっていってしまう始末・・・。

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ウディ・アレンは本当にナルシストですね。

物語の展開は、初めからゴールのわかっている迷路を、ウディ・アレンが意図的に作り上げたレールに沿いながら進んでいく感じです。

ウディ・アレン好きにとっては期待通り、満足できる内容に仕上がっています。しかし彼が嫌いな人には多少の苛立ちは生まれるかもなぁ・・・私的にはウディ・アレン監督作品は、彼自身が出演してない作品の方が幾分サッパリするので好きです。マッチポイントは素晴らしい出来でしたから。

●『タロットカード殺人事件』(イギリス&アメリカ/2007監督:ウディ・アレン  

出演:スカーレット・ヨハンソン 、 ヒュー・ジャックマン 、ウディ・アレン、イアン・マクシェーン

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2007.11.10

『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』

映画批評Photo_225弾!!リリーフランキー原作、オダギリジョー主演の話題作!!

『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』勝手に自己評価!!

★★★★★☆☆☆☆☆10点満点中5点)

感心するほど忠実に、丁寧に作られた映画。

私の中で、樹木希林は今年度の日本の助演女優賞決定です・・・。

1960年代。3歳のボクは、真夜中に玄関の戸を蹴破って帰ってきた酔っぱらいのオトン(小林薫)にいきなり2串の焼き鳥を無理やり食べさせられてしまう。オトンに手を焼いたオカン(内田也哉子)はボクを筑豊の実家に連れ帰り、妹であるおばさんの小料理屋を手伝いながら、女手一つでボクを育て始めるのだった。やがて故郷を離れ上京するボク(オダギリジョー)。ぐうたらな生活を続けながらも、やがて仕事を見つける。そしてボクはオカン(樹木希林)を東京に呼び寄せ一緒に暮らすこと決意する・・・

これまでの松岡錠司監督の作品って正直言ってあんまり好きじゃなかったんです。『さよならクロ』にしたってあの生ぬるい空気感がどうしても耐えられなかった。しかし、今回の作品は割と上手くいきましたね。なんとか許容範囲です。

役者陣の熱演に助けられた部分はもちろんあると思いますが、原作の強い世界観を自分のスタイルの中にはめ込み、松岡監督らしい息を優しく押し殺したような作品に仕上がっている。おかげで松尾スズキ特有の脚色は薄まりましたが、ストーリー内容がら考えると結果オーライかな。

作品全体の雰囲気としては、日記のページをゆっくりと1枚1枚めくるような感じです。

それだけに142分の長時間だとやはり飽きてしまいます。登場人物それぞれに同じだけの見せ場をつくり、幼少時代からオカンとの死別までのシーンも、均等な配分時間で振り分けているような印象を受けました。丁寧な演出すぎるゆえに、多少の違和感も抱いてしまったのは事実です。

淡々とした雰囲気に、「あれ見せ場ってどこ?」って思わず聞いてしまいたくなります。作品のインパクトは登場人物の個々のキャラクターによって付加されています。

この作品は役者ありきで成り立っています。押すでもなく引くでもない絶妙なバランスで、愛らしいオカンを演じた樹木希林は本当にすばらしかった。さすが大ベテランです。まだガンが完治しきっていない時、ボクが執筆した本が届き、電話越しに告げる言葉・・・「ありがとうございました・・・。」丁寧な言葉使いで深く頭を下げ微笑む場面はとても印象的でした。

Photo_2 樹木希林、小林薫、オダギリジョーのやり取りもとても見事で、3人が1つの画面に映し出されたときのなんとも言えない温かな空気感には吸い付けられました。

感動を求めてはいけません。やさしい作品の雰囲気に触れ合ってみてください。

●『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』(2007/ 日本 /142分)

監督:松岡錠司 

原作:「東京タワー」リリー・フランキー

脚本:松尾スズキ

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2007.10.21

『オール・ザ・キングスメン』

Photo_7 映画批評19弾!!1949年ピュリツァー賞受賞作品の映画化!!

『オール・ザ・キングスメン』勝手に自己評価!!

★★★★★☆☆☆☆☆(10点満点中5点)

“もったいない”の一言に尽きる。

ショーン・ペンの演技は鳥肌が立つほど素晴らしかったのに・・・

まず最初に言いたい。この作品のDVDジャケット(右上に添付)はどうにかならなかったのか・・・?これじゃ戦隊物のヒーローみたいで面白みがまったくない。物語全体の趣旨と人物の露出度やキャラクターをしっかりと理解していたらこんな芸のないデザインにならなかったはずである。出演俳優人を前面に押し出したい気持ちは分かるが、ただ役者人を横に配列しただけではあまりに陳腐すぎます。

そもそも私がこの映画を知ったのは他のDVD作品の本編前にあった予告編でした。

これだけの俳優人を揃えた作品なら劇場公開時にも大きな話題になっていたはずでしょうが、まったく覚えがないのはなぜだろう・・・。それにアカデミー賞にノミネートしたという情報もないのだからとても意外で・・・。そんな疑問を抱きながら本作品を観始めたのでした。

ストーリー内容自体は、現代も問題視される“政治とカネ”そして“人間の野心と欲望”について描かれており大変興味深いし、役者人の演技にしても私の期待が裏切られることなく十分に堪能できたんです。

ショーン・ペンに関しては、出演する作品ごとに変化させていく怪人的な演技にはいつもながら圧倒させられしまいます。今作品でもまざまざと彼の演技力の凄さを見せ付けられました。

ただがむしゃらに正義だけを貫いている貧しい出納官だったウィリー・スターク(ショーン・ペン)が、州知事の地位まで一気に昇り上がるときの演説シーンにはあやうく泣きそうになりました。

演説内容や言葉・セリフに感動したわけではありません。Photo_8彼の声のトーン、力強い身振り手振り、善と悪に満ちた狂気的な表情・・・彼が命を吹きかけたスタークという人間に目を奪われてしまったんです。

それにしても・・・・本当にもったいない。

脚本だって、『シンドラーのリスト』でアカデミー脚色賞を受賞したスティーヴン・ゼイリアンが手掛けてるんです。しかし彼にはうまい脚本は書けても、監督として現場で臨機応変な統率が出来なかったのかもしれません。

では具体的にどこがいけなかったのか。

要因は過剰な演出と、整理しきれていない編集の無意味な部分です。

演出に関してはいくつか腑に落ちない点はあるが、その中でも、強い信念を持つジャーナリストのジャック・バーデン(ジュード・ロウ)が、父親のような存在だったアーウィン判事(アンソニー・ホプキンス)を自殺へと追い詰めてしまった後、アーウィンが集めていたジャックの記事アルバムをめくりながら、父同然だった彼の愛情に思いをはせるシーン・・・。ここは明らかに尺とりすぎだし、過剰演出な上に単純すぎる。またラストシーンもモノクロ映像にしたとこまでは良いが、インパクトを狙いすぎて不自然であった。

Photo_9 編集に関しては、冒頭シーンの現代から過去数年前へと移り変わる部分に疑問を抱く。

一見モノトーンでストーリーを印象付け、スタークの変貌ぶりも表しているように思えるが、この冒頭部分がそこまで物語全体を通じての重要部分というわけでもない。ここを反復させられても、最終的に観る人を困惑させてしまう。シーンの繋ぎ部分がストーリーの流れをつまらせてしまっている。こうなるなら自然な時間軸で進んでも良かった。ましてやこれだけ内容の濃いものなのだから削るところは削り、大事なところはしっかり強調しないと。Photo_10

ただ悪い映画ではないんです。良い映画なんです。

ぜひ観てみてください。色んな意見が生まれると思います。

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2007.08.19

『トランスフォーマー』

      Img     映画批評第5弾!!2007年夏話題作!!

 『トランスフォーマー』勝手に自己評価!!

 ★★★★★☆☆☆☆☆(10点満点中5点)

スピルバーグ作品は本当に批評が難しい。しかし素人だからこそ、この手の作品に論を唱えることほど気持ちの良いことはないのだ。

いわずと知れた巨匠スティーブン・スピルバーグと、『アルマゲドン』のマイケル・ベイというハリウッド屈指の二人がはじめてコンビを組んだ本作品。

世界最大のVFXファクトリー、ILMを核とした総力スタッフ350名以上が集結。今年2007年度映画の1番の注目作といってもいいだろう。

内容は、未知の惑星からの侵略者が、あらゆるテクノロジー機器に姿を変え人間社会に入り込む。彼らはロボット状の姿へトランスフォーム(変身)し、人間に牙をむける。その敵にアメリカ映画お得意のヒーローが立ち向かっていくというストーリーだ。

正直、ストーリー自体はあんまり重要じゃないと思う・・

この作品を制作するにあったってのスピルバーグ&マイケル・ベイチームの本当の意図とはあくまで、

「全世界の人々に向けた“衝撃的な次世代映像”の発信であって、ハリウッド制作チームの力を見せ付けるためのお披露目を目的とした“お祭り作品”のように感じた」

実際のところ、本作品の革命的映像には圧倒された。めちゃくちゃすごいし、トランスフォームの細かい動きなんてかっこよすぎる。

純粋に、迫力満点の映像には満足できたし、終映後にグッズ売り場でトランスフォーマーのおもちゃを買いそうになったほど興奮の余韻はしばらく続いた。

しかしながらやはり、単調に続くトランスフォーマー通しの戦闘シーンや、ひねりのない物語の結末にはすこしがっかりした。

他に気になったのは、劇中に何度か見られた他国を皮肉ったアメリカンジョーク。もう少し配慮しても良かったかな・・・

しかしながら、映画館でお金を払って観ても、決して後悔はしない作品であることは確かである。

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